東京都の小池知事が関東大震災の朝鮮人犠牲者を追悼する式典に今年も追悼文を送らないことについて、式典の実行委員会は「看過できない深刻な問題だ」として、都に抗議しました。

関東大震災が起きた9月1日には毎年、東京・墨田区の都立横網町公園にある朝鮮人犠牲者追悼碑の前で虐殺の犠牲者を悼む式典が行われています。

式典には歴代の東京都知事が追悼文を送っていましたが、小池知事は就任した最初の年は送ったものの、2017年以降は取りやめていて、今年も追悼文を送らないことを明らかにしています。

こうした中、式典の実行委員会がきょう、「看過できない深刻な問題だ」として都に抗議しました。

式典の実行委員会　宮川泰彦 委員長
「（虐殺の）事実があったことを知らないことにしようと、あるいはなかったことにしようと、そういう潮流に（小池知事は）身を置いているんじゃないだろうか。あるいは、そういう考え方なんじゃないかということについて危惧しております」

実行委員会は「きちんと事実に向き合い、二度とこのような過ちを起こさないよう自治体の長として態度を明確にするべき」などとして、追悼文を送るよう要請しました。

要請は今月1日に続き2回目で、対応した都の担当者は「関係者に速やかに伝える」と答えました。

小池知事は追悼文を送らない理由について、この式典とは別の大法要で「犠牲になられた全ての方々への哀悼の意を表している」と説明しています。