県立考古博物館 学芸員 柴田亮平さん:
「まじないというと、うさん臭く思えてしまうが、昔の人は大きな災害、病気など個人の努力でどうしようもできないことを、まじないの力で乗り越えようとしてきた。こうした まじないは当時の人々が懸命に生きてきた証でもある」
企画展には主に県内で出土した縄文時代~明治・大正時代に祭祀などで使われたとされる壺や鏡などの考古資料、およそ350点が展示されています。
そのなかの1つ、法華経が書かれたいくつもの石。
これは山梨の戦国武将・武田信玄の息子・武田勝頼の二百年遠忌で埋納された経石と考えられ、発見された石は5000個以上。
このことから、死者を弔い功徳を得る、つまり「多数作善」の考え方で、世の中を良くしようと多くの人が願いを込めた一種のおまじないだったと考えられています。
昔の人々にとって身近であった まじないですが、柴田さんは現代にも まじないの文化は根付いているといいます。