県立考古博物館 学芸員 柴田亮平さん:
「こちらは人形(ひとがた)といいまして、甲府市の塩部遺跡から出土したもの」
「呪いと勘違いされることが多いんですが、昔の人は病気とか怪我は悪霊が悪さをして起きると考えられていて、穢れを人形に移して壊すことでよくなると考えていたんですね」

実は「呪い」ではなく、平安時代に使用されたとされる「呪(まじな)い」の人形で、よく見ると顔の部分にはうっすら笑った表情が描かれているのが確認できます。

そして壁に張り付けにされてるかのように見えた鬼の石像も、風神の姿をした『金箔付鬼瓦』。
甲府城跡から出土したもので、厄除けの意味があったといいます。
今回の『呪いの世界』という企画展、実は「呪い」と書いて「まじない」と読みます。
昔の人々が自然災害や病気など、個人の力ではどうしようも出来ない事象に対して、おまじないをして苦難を乗り越えようとしてきた、その歴史が学べる企画展です。
学芸員の柴田さんによると、人に悪意を向けた、いわゆる「のろい」に関連づけられる考古資料はあまりなく、現状をよくすることを願い行われた「まじない」に関する資料が多いということです。