“トリプルパンチ”で米不足に?
熊崎キャスター:
ではなぜ、こんなに米が少なく、特に2024年はその傾向が顕著なのか見ていきます。

日本米穀商連合会によると、様々な理由がある中で、一つ目の理由は「暑さの影響」です。
「2023年に収穫し、保管していた米が思ったほど製品にならない」ということがあるんです。どういうことかというと、猛暑の影響で米の皮が厚く、製品にしようとしても削られる部分が多く、歩留まりに影響しているということです。
二つ目の理由は「米の需要がアップしている」ということ。
需要が2023年から11万トンほど増えていて、「“コロナ明け”で消費が伸びた可能性がある」と日本米穀商連合会の相川英一専務は話しています。
一般家庭もそうなのかもしれませんが、特にホテルや旅館など米を多く消費するところは旅行客などが多く来ますので、その分、需要が伸びているということです。

さらに追い打ちをかけたのが、「巨大地震注意」の発表、それから台風の接近で水などの備蓄品が欠品し、その流れで「米も備えたい」ということで店頭で見つけて購入する人が増え、商品棚が品薄の傾向になり、いま米が少ない状況になっているということなんです。
井上貴博キャスター:
「備えておきたい」ということや、報道で品薄状態を知って、いつもより多く購入することもある。コロナ禍で起きたトイレットペーパー不足やマスク不足に少し近い側面もあるのかなと思いますが、米の作り手不足ということではないわけですよね?

オンライン直売所「食べチョク」代表 秋元里奈さん:
そうですね。農家ではまだ在庫が全然あるそうです。
特に夏の時期は少し消費が落ち込みますが、そんな時期に「不安だからたくさん買おう」というとこで一気に需要が伸びて、店頭から消えているように見えますが、全体量としては一定量ちゃんとあって、今後は新米も出てくるので、急ぎすぎないようにというところは意識したいなと思います。
ホランキャスター:
さっきのグラフを見ても、9月から増えてくるのであれば少し待てば良いということですよね。毎日お米がないと困ることでもあると思いますが、そんなに焦らない方がいいということですね。
秋元さん:
8月に入ってから私達のサービスでも例年よりも4倍くらい注文が増えているので、多分それが実際のスーパーでも起きていて、結果的に在庫がなくなって、「もうお米なくなっちゃった」と焦って、さらにまた買ってしまうという悪循環に少し入っているのかなと思います。
井上キャスター:
調整は難しいと思いますが、もう少し在庫があるんだったら、もう少し早めに店舗に下ろすことは出来ないんですか?
秋元さん:
契約の仕方があって、「通年でこの量を買います」という契約をしている店舗にまず優先で出さなければならず、都度で買う店舗は優先度が下がって在庫がかなり切れやすくなるので、仕入れの方法などでも影響していると思います。