競歩2種目と4×100 mリレーなどもメダル候補

競歩種目はパリ五輪で行われなかった35km競歩が、東京では実施される。この種目でオレゴン銀、ブダペスト銅と連続メダルの川野将虎(25、旭化成)が、当然メダル候補に挙げられる。パリ五輪はリレー種目だけの出場だったが、厚底シューズにも対応した。男子20km競歩は山西に加えて、池田向希(26、旭化成)もメダル候補。東京五輪、世界陸上オレゴンと連続銀メダルを獲得した。パリ五輪は7位と成績を落としたが、終盤の強さが戻ればメダルに挑戦できる。

パリ五輪5位の3種目も、今回は少し差が感じられたものの、成長があればメダル争いができる。村竹も赤松も「東京ではメダルを」と目標を口にしていた。

110mハードルは村竹に加え、ブダペスト5位の泉谷駿介(24、住友電工)もいる。2人が持つ日本記録は13秒04。五輪&世界陸上の決勝で13秒0台を出すことは簡単ではないが、2人とも13秒1~2台は出せるようになっている。
この種目の銅メダル記録は21年東京五輪が13秒10、22年世界陸上オレゴンが13秒17、23年世界陸上ブダペストが13秒09、そしてパリ五輪が13秒09だった。あと少しである。そのレベルの選手が2人いることも、この種目のメダル争いが期待できる大きな理由だ。

同様に男子走高跳の銅メダル記録は東京五輪2m37、オレゴン2m33、ブダペスト2m33、パリ五輪2m34だった。パリの赤松は2m31の自己新、これまでの国際大会でも自己記録前後を跳ぶ勝負強さを持っている。「東京では2m34を跳びます」と力強い。

男子4×100mリレーは過去に銅メダル2個、入賞8回と、トラック&フィールド一番の得意種目だ。パリ五輪では37秒78の5位。個人種目の100mで準決勝に進んだのがサニブラウン1人と、個々の走力のレベルアップが急務になっている。
ただ、銅メダル記録は37秒61で日本とは0.17秒差。予選2走の栁田大輝(21、東洋大)が不調で、決勝は別オーダーになった。予定通りのオーダーで臨めれば、メダル争いに加わった可能性はある。

過去最多の入賞数で盛り上がる世界陸上に

東京の入賞候補はパリ五輪入賞者に加え、22~23年の世界陸上で入賞経験がある以下の選手、種目がリストアップできる。

男子100m サニブラウン
男子20km競歩 住所大翔
男子35km競歩 野田明宏
男子4×400mリレー
男子走高跳 真野友博
女子1500m&5000m 田中希実
女子10000m 廣中璃梨佳
女子20km競歩 藤井菜々子
女子35km競歩 園田世玲奈

昨年の日本選手権35km競歩優勝の野田は、23年シーズンリストで世界2位。ベストパフォーマンスができればメダルも狙える力がある。

パリ五輪では43cm差で予選突破ができなかった男子やり投のディーン元気(32、ミズノ)も、まだまだ現役で頑張る意向を示した。世界陸上オレゴンでは9位と、やはり9位だった12年ロンドン五輪に続いて入賞に迫った。女子やり投は北口以外でも、パリ五輪11位の上田百寧(25、ゼンリン)、世界陸上オレゴン11位の武本紗栄(24、Team SSP)も、すでに決勝を戦った経験がある。

パリ五輪は故障の影響で予選落ちしたが、今季47秒99をマークした男子400mハードルの豊田兼(21、慶應大)も、準決勝で48秒前後の記録を出せば決勝に進むことができる。パリ五輪は助走変更が間に合わず予選落ちしたが、走幅跳で23年ダイヤモンドリーグ・ファイナル3位の橋岡優輝(25、富士通)も入賞候補。野田と同じでベストパフォーマンスができればメダルの可能性がある。

ここで名前を挙げた全員が入賞できるわけではないし、逆に今年後半から来年にかけての成長で入賞してくる選手も現れて欲しい。

メダルも含めた日本の入賞数は19年ドーハが「8」、22年オレゴンが「9」、そして23年ブダペストが「10」で世界陸上最多だった。東京大会では連日日本選手がテレビ中継を沸かせ、ブダペストの「10」やパリ五輪の「11」を上回る入賞数となることを期待したい。

(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)