商業化した理由は「大赤字」「政治からの独立」

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 オリンピックが商業化した理由の1つは大会自体が赤字だったことです。特に、体操のナディア・コマネチ選手が一世風靡した1976年のモントリオールオリンピックは、実は大赤字でした。市の負債は8000億円になり2000年代前半まで市民は税金という形で負債を払い続けていました。これを見て各国は『うちはもうやらない』となり、商業化しなくてはという声が出始めました。
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 もう1つは政治に左右されたくないという理由です。本来であればスポーツと政治は分離して考えるべきですが、1980年のモスクワオリンピックでは東西の冷戦や、旧ソ連のアフガニスタン侵攻に反対してアメリカや日本などの国々がボイコットするといったことがありました。財政基盤があれば政治から独立できるため商業化せざるを得ない状況になっていったということです。