『新潟の戦争の記憶をたどるツアー』の参加者の中には、戦争で苦しい経験をした人もいました。新潟市中央区に住む松村多文さん(81歳)です。
1943年に満州で生まれた松村さんは、終戦翌年の1946年、3歳のときに日本に引き揚げました。その時に感染症の水際対策として設けられた検疫所での経験が、いまだに忘れられないと話します。

「DDTという殺虫剤をね、もう連日のように吹きかけられてね、その臭いがね…。もちろん風呂もないですよね。ゾッとしましたね。ここで死ぬんじゃないかと思ったんですけど…」
こうした“戦争の記憶”を忘れてはいけないと思い、松村さんは『新潟の戦争の記憶をたどるツアー』に参加したそうです。
「あと何年生きられるかわかりませんけれども、命を大切に、これからも死ぬ気で頑張っていきたいと、こんなふうに思って…」
