半世紀以上にわたって親しまれたイベントがその役目を終えようとしています。雫石町を中心に開催されてきた「いわて雪まつり」が雪不足や来場者の減少などにより、終了する見通しとなりました。

 「いわて雪まつり」は1968(昭和43)年に始まり、岩手の冬の風物詩として半世紀以上続くイベントです。雫石町の小岩井農場を会場に、大小さまざまな雪像の展示や雪のすべり台、かまくら内での食事などが人気で、期間中は多くの旅行客や家族連れでにぎわいました。
 まつりの終了は24日に開かれた実行委員会の企画・行事部会で提案されたもので、8月31日の総会で了承されれば正式に決定します。実行委員会は終了を提案する理由について、まつりの来場者数の減少やシンボルである雪像を制作する雪の不足、イベントの運営に充てる協賛金の減少を挙げています。
 雫石町観光商工課がまとめたまつりの来場者数の推移を見ると、2008年にピークの30万2000人を記録したあと、ここ10年ほどは減少傾向となっていて、盛岡市や滝沢市も含めた分散開催となった2018年にはピーク時のおよそ2割の6万9000人まで落ち込みました。また去年と今年は新型コロナの影響で開催されませんでした。
 雫石町は、終了が決まった場合来年の2月に代わりとなるイベントを計画していて、小岩井農場まきば園を会場に、花火やイルミネーションなど雪だけにとどまらない演出で岩手の冬を盛り上げたいとしています。