「頼りになりそうなお兄さん」は年下の高校生ラガーマン

そこに別の若者が偶然、居合わせます。高校生でラガーマンの 池口颯斗 さん(17)です。

辰野さんは、この状況で「頼りになりそうなお兄さん」を見つけ、池口さんに交代を依頼したといいます。

「代わるしかない」

心臓マッサージのやり方がわかったという池口さんは、人が倒れている状況を見て「やるしかない」と思い、意を決して心臓マッサージを続けました。

一方、AEDを探し近くの大学へと駆け込んだ月橋さん。そこにいた学生2人に声をかけます。

「AEDありませんか?」

月橋さんから突然、声をかけられたのは、大学の自習室に向かって歩いていたという 鈴木佑太郎 さん(19)と 渡部睦貴 さん(19)。突然の事態に動揺したという2人でしたが、月橋さんの切羽詰まった様子をみて、これはただごとではないと直感。状況がよくわからない中でしたが、「できることがあれば」と、無我夢中でついて行きます。

AEDを持った3人がコンビニに戻ると、月橋さんがAEDを作動。ここでも看護学科で学んだ経験が生きました。

男性は、その後、到着した救急隊によって病院へと搬送されました。一時は意識や呼吸がない危険な状況でしたが、偶然居合わせた若者たちによる、とっさの連携プレーによって、今では回復して無事に社会復帰したということです。