高値が続く小麦粉。岸田総理は製粉会社に売り渡す輸入小麦の価格を10月以降も据え置くよう指示しましたが、小麦価格の高騰は、食卓とは関係のない場所にまで意外な影響を及ぼしています。そこはなんと、美容院です。

三宅純人 記者
「スーパーにずらっと並ぶ小麦粉。今年値上がりしましたよね。その影響は意外なところにも表れているんです」

島根県出雲市内の美容室。
新米美容師がヘアカラーのテスト合格を目指して特訓をしています。
しかしこのカラーリング剤には、色がついていません。


ヘアーズミカミ 芝原佐知さん
「ちょっとでもコストを下げたいっていうことで小麦粉を使っています」

この正体は、小麦粉を使った「なんちゃってカラー剤」。
本物のカラー剤は値段が高いため、練習では、小麦粉を混ぜて作る、この「なんちゃってカラー剤」を使うのが美容師業界では「あるある」なんだそうです。

この店では、新人の美容師は小麦粉とトリートメントを混ぜた「なんちゃってカラー剤」を使っています。

本物のカラー剤と比べてもご覧の通り、粘り気がそっくりです。


しかし…

ヘアーズミカミ 芝原佐知さん
「これからまた練習するとき、また価格が上がっているってなったらやっぱり苦しいところがありますね」

本来、コストカットのために使っているはずの小麦粉価格が高騰。
日清製粉ウェルナは、小麦粉やミックス製品などをおよそ4%から6%値上げしました。
カラー剤よりは、もちろん小麦粉の方が安いのですが、ちりも積もれば…。
新米美容師は、出費をできるだけ避けたいのが本音です。

ヘアーズミカミ 芝原佐知さん
「早くテストに合格するか、小麦粉がちょっとでも値段下がってくれればなと思います」

小麦価格の高騰は、家庭の食卓だけでなく、意外な場所へ波紋を広げています。