フォームは“男子世界一”に変更 「柔軟性と体格が揃わないと出来ないもの」
上村キャスター:
そして、強さの秘密はフォームの変更にもありました。

2018年の北口選手のフォームは槍を構えてから高さを変えず、まっすぐ後ろに引いてから投げる動作に入っています。女子では一般的な投げ方です。
一方、7月の北口選手は構えてから走り出した後、槍を下の方に大きく下げていました。こうすることで肩の可動域が広がり、より深く体をひねって投げることができます。
2018年と今年7月のフォームを比べると、今のフォームの方が体をひねって体全体を大きく使えているのがわかります。これが強さの秘訣だと言います。
女子やり投げで前日本記録保持者の海老原有希さんによりますと、「男子の世界記録保持者と同じフォームで北口選手は投げている」と。しかし、「柔軟性と体格が揃わないと出来ないもので、ここまで槍を下げられるのは北口選手ぐらい」と話していました。やりたくてもなかなかできないフォームだということです。
北口選手が出場する女子やり投げは7日夜に予選、そして11日に決勝が行われます。
井上キャスター:
東京オリンピックで苦手と言われていた助走も格段にレベルアップしています。
北口さんの場合は投てきに注目したいのはもちろんですけれども、投てきと投てきの間のリラックスした笑顔やカステラを食べている様子とか、競技時間全体を魅了するアスリートですね。
ホランキャスター:
コーチも今回ハイチュウを食べるのかどうかなども気になります。
「こうなりたい」「こういう自分・理想に近づきたい」というふうにイメージしたのを体で再現できるという再現性も、やっぱり高い身体能力と努力の賜物なんだろうなと思います。
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<プロフィール>
松田丈志さん
元競泳日本代表 五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身 3児の父