元競泳日本代表の松田さんがバタフライを指導 バタフライとやり投げの共通点は?

元競泳日本代表 松田丈志さん:
最初はSNSのDMで「バタフライを教えてほしい」と連絡をいただいて、僕も驚きました。北口さんに聞くとチェコのコーチから「週に1回は水泳の練習をするように」と言われたそうです。
本人に「バタフライとやり投げはどんなところに共通点があるのか」と聞くと、バタフライはうねりながら泳ぎます。そのときに大きく胸を張って、そして遠くの水をつかむという瞬間があるんですけれども、胸を張って遠くのものに力を伝えるという動作が、僕もわかりませんが、どうやらやり投げに近いらしいです。
ただ、水泳のレッスンを2021年と2023年の2回やらせてもらったのですが、やはり水泳の練習はやり投げに通じているところがあるようで、北口選手は練習を続けてくれているみたいです。
井上貴博キャスター:
北口選手以外にも他の競技の方が「水泳教えてください」というのは、よくあることなんですか。
元競泳日本代表 松田さん:
いや、違う競技の方に教えるということは正直ないです。ただ、北口選手は1週間のルーティーンの練習の中に水泳を組み込んでいるということで、僕も最初はどの程度のテンションで教えればいいのかわかりませんでした。しかし、しっかり泳ぎ方を教えてほしいということで一度目はバタフライを中心に教えました。
オリンピックイヤーのオフシーズンである23年の暮れにはバタフライだけでなく4泳法の泳ぎ方や、水泳にも道具を使った練習などいろんなバリエーションがありますので、そのトレーニングのバリエーションを伝えて北口選手の強化になればと思ってやらせてもらいました。
ホラン千秋キャスター:
違う競技を通して、自分が軸でやっている競技の技術を高めていくっていうアプローチはよくあることですか。

元競泳日本代表 松田さん:
よくあることだと思います。まずやり投げで言えば体の片側だけで投げますから、やり投げばかりやっていると、体がアンバランスになってくることもあると思います。そのために違う種目をやったり、筋力トレーニングをやったりすることはありますが、全く違う種目をやることで自分の専門種目で酷使した体をリカバリーさせる意味合いもあります。
僕が想像するに、北口選手にとって水泳のトレーニングは陸上で酷使した体をリカバリーする、そして北口選手の持ち味である柔軟性を保つというところに繋がっているのかなと想像しています。
7日に予選が行われますから、しっかり予選を通過して決勝で素晴らしい投てきを見せてほしいと思っています。
井上キャスター:
ここまで来ると、松田さんも一緒に戦っている感じでしょうね。
元競泳日本代表 松田さん:
それが北口選手のすごいところで、やっぱりオリンピックで結果を出すためには自分が頑張ることと、それにプラスして、いかに周りの力を自分の力に変えられるか。これがポイントになります。
北口選手が直接僕に連絡してくれたことで、僕も北口選手の応援者になっていますし、拠点がチェコですからチェコの人たちも北口選手のことを応援しています。たくさんの日本の皆さんの応援とともに、力にして頑張ってほしいなと思っています。