「未来の“吉田沙保里”がいる」そんな話を耳にしたのは、今から5年前だった。

アテネ五輪前から、女子レスリングの歴代メダリストを取材してきた私は、早速、三重県にある、いなべ総合学園高校のレスリング道場に向かった。

そこで出迎えてくれたのは、ショートカットでスラッとした、くったくのない笑顔の藤波朱理選手、その人だった。高校1年生だった彼女は、すでに世界大会でも優勝するなど頭角を現していた。強さの秘密は何なのか。私は取材を重ねていった。