創業72年のそば店「それなら同じ味が出せる」と出店を決断したワケ
7月、舟本さんが訪れたのは、大阪市内の知る人ぞ知るフレンチの店『le comptoir』。舟本さんの依頼に応え、初めて商業施設への出店を決めました。
店は『バルチカ03』で提供する新メニューの開発真っ最中。酒のお供の定番、牛スジとホルモンを赤ワインで煮込み、春巻きの皮で包んでカラッと揚げた一品を作っていました。
(店の人)「フランス料理らしく、かつ、おじ様が好きなのかなというものを包みました」
(舟本恵さん)「バランス的に、ホルモンが入っていながら油分はそんなに強くない。見た目が華やかで楽しげで、演出もあっておじ様も喜ぶ」
狙いを定めた店に商業施設への出店を決意してもらうことは容易ではありません。営業時間が決められていることや、本店と味に違いが出ることを懸念する店が多いのです。そこで舟本さんは、商業施設としては異例ですが、営業時間を店側が自由に決められるようにしました。また、味が変わることを嫌って出店を断っていた店も、事情に応じた打開策を提案し、説得しました。
創業72年の『夕霧そば瓢亭』は、今回初めて商業施設への出店を決めました。名物の「夕霧そば」は生地にゆずの皮が練り込まれていて、生卵が入ったつゆにつけてすすれば、ほんのりと優しいゆずの香りが広がります。
(客)「おいしい、めっちゃおいしい。コシがあって、ゆずの香りがして」
(客)「満足しています、最高」
(客)「仕事帰りとか疲れたときとかに、ビールとおそばをさっと食べて、元気が出るお店です」
本店は梅田のお初天神からすぐの場所。新しい施設から車で10分足らずの距離にあります。打ちたてのそばを本店から運ぶアイデアを舟本さんから提案され、それなら同じ味わいが出せると決断しました。
(夕霧そば瓢亭 代表・艸葉典久さん)「近場で次の店を出そうかと。いろんなお客さんに知ってもらいたいというのもあるので、出店を決めさせていただきました」