■少しの光 新しい治療とリハビリへの取り組み
では、少しでも早く後遺症を治すにはどうしたらいいのか?まだわからないことが多いようですが、少しずつ、知見も高まってきているようです。勤医協札幌病院の院長、尾形和泰さんが新たに行っている2つの取り組みを伺いました。
――後遺症への効果的な治療はあるんでしょうか?
勤医協札幌病院 院長 尾形和泰さん
「まだわからないことも多いのですが、私たちのところでは、7月にイタリアで発表された、まだ査読前の論文に注目しています。イタリア全国で行われた研究であのビタミンCとL-アルギニンっていう、サプリメントで良くなという内容です」
――ビタミンCとL-アルギニン?どれくらい効果が?
勤医協札幌病院 院長 尾形和泰さん
「あくまでも査読前の論文の事例ですが、例えば「集中困難」っていうのは、ビタミンCとL-アルギニンのサプリメントを使うことで、1か月後に8割ぐらいの方は改善しているという報告になっています。普通のサプリなので、適切に行えば、副作用も少ないので、これを参考に、この8月に入ってからはこちらで治療してる方が多いです」

――査読前の論文なのですね。しっかり認められたものはないのでしょうか?
勤医協札幌病院 院長 尾形和泰さん
「WHOのヨーロッパ事務局が作ったコロナのリハビリガイドがあります。回復期から後遺症まで、コロナの各段階のリハビリのことが書いてあります。日本では、まだいろんな治療法が論じられる段階ではなかったので、このリハビリガイドをちゃんとわかった方がいいかなと思って、こちらで翻訳をしました」
――どちらで読めるのでしょうか?
勤医協札幌病院 院長 尾形和泰さん
「こちらの病院のホームページで無料で公開しています。ポイントは、感染している段階から活用することです。後遺症の段階の前から見ていただければと思います」

WHOが正しい後遺症対策の本を出したというので、それを翻訳、無料公開。
( http://www.satsubyo.com/files/pr-magazine/pdf/WHO-EURO-2021-855-40590-59892-jpn2.pdf )
焦って頑張りすぎないことが大切で、まずは静かな環境で疲れていない時に活動、1度に行うことは1つにして、疲れたら休憩、など、家庭でできるアドバイスが出ています。後遺症の前段階の、感染している時から読んで取り組むと良いそうです。
万が一感染してしまっても、辛い後遺症を長引かせないための準備として、感染する前から読んでおくのも良いかもしれません。
(TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」取材:田中ひとみ)