去年11月、アメリカ軍のオスプレイが鹿児島県の屋久島沖で墜落した事故について、アメリカ軍は変速機の故障と操縦士の判断ミスに原因があったなどとする調査結果を公表しました。

アメリカ軍の報告書などによりますと、事故が起きたオスプレイでは離陸してからおよそ40分後にエンジンの動力をプロペラに伝える機体左側の変速機に異常が起きたことを知らせる警告が表示されました。

通常、この警告が3回表示されると近くの空港へ速やかに着陸することになっていますが、機長はそのまま飛行を継続し、その後進路を変更しましたが、着陸前に変速機が故障し、墜落したということです。

報告書では、近くの空港に着陸するなどの安全措置をとらず、機長によるリスク管理が不十分だったことが事故につながったとしています。

木原防衛大臣
「運用停止制限を求めるという考えはございません。防衛省としてはオスプレイの安全性には問題ないというふうに考えておりますが、地元の皆様に十分に説明し配慮し、最大限の対策をとるように日米で協力していくという考えでございます」

木原防衛大臣は「安全対策の措置を講じることで同様の事故を予防できる」との認識を示していて、今後運用停止を求める考えはないとしています。

一方、沖縄防衛局の担当者が2日午後、県庁を訪れオスプレイの飛行に伴う安全対策などを説明しました。

県によりますと、防衛局の担当者からは予防措置として緊急事態が起きた場合に着陸可能な飛行場がある範囲内のルートで飛行することなどが説明されたということです。

しかし、不具合を起こしたとされる変速機について根本的な原因が特定されていないことから県は「県民の不安が解消されたわけではない」と伝えています。

玉城知事はアメリカ軍が示した予防措置などについて「その実効性が十分に確保される必要がある」としたうえで改めて、「オスプレイの配備撤回を求める」とコメントを発表しています。

アメリカ軍は事故後、全部隊でオスプレイの飛行を停止していましたが、明確な事故原因が示されないままことし3月から飛行を再開していて県内では不安や不満の声が上がっています。