全国の新型コロナの死者が過去最多の343人に(8月23日発表)。政府は全ての感染者の情報を届け出る「全数把握」について見直す方向で検討していますが、賛否の声が上がっています。そんな中、子供の間では今「手足口病」も流行。中にはコロナと同時に感染するケースもあるようです。
■コロナかと思って受診したら…子どもの手足口病が大流行
発熱外来には連日、多くの患者が訪れています。23日午前、訪れた1歳の女の子は発熱し、ぐったりしていました。コロナの感染を疑って受診しましたが…
医師
「ボツボツが出ているところはなかったですか?」
母親
「口の周りにちょっとだけ出たんですけど…」
医師
「出てるな。手足口(病)だね、これね」
診断は「手足口病」。コロナの検査は陰性でした。
手足口病は、口や手足などに発疹が出るウイルス性の感染症。夏に子どもの間で流行しますが、今年は複数の自治体で「手足口病警報」が出されるほど大流行しています。

母親
「全然気付いてなくて。病院で先生に診てもらって『(発疹が)出てるね』って。保育園でも少し流行ってきてるので、そこからもらったのかなって」
■「悲鳴のように泣くほどつらい」 手足口病とコロナの同時感染の例も
中には、コロナと同時に感染するケースも出ています。神奈川県に住む家族は8月中旬、1歳の娘がコロナと手足口病に感染していると診断されました。
母親
「40度ぐらいの高熱が出たところから様子がおかしいということに気付いて。ご飯が食べられなくなってしまったんですね。もう一度病院にかかって、手足口病と診断された」

数日でご飯を食べられるまで回復しましたが、当時は高熱に加え口の中の発疹が痛むのか、水分をとることも難しい状況でした。
母親
「本人がすごくつらそうなのが本当にかわいそうで。ベッドの中で、のたうち回るじゃないですけど、悲鳴のような叫び方で泣いているので」
そして自宅療養を続けるうちに、母親も手足口病に感染してしまいました。

クリニックの院長は、コロナ禍で手足口病が流行することの懸念点を指摘します。
多摩ファミリークリニック 大橋博樹院長
「手足口病というのは、熱が出てそのあとにボツボツが出てくる方が多いので、まだ熱が出て発疹が出ていない時期だと、(手足口病か)コロナかどうかわからない。熱が出ていれば発熱外来への案内にどうしてもなってしまうので、(例年より)受診のハードルがかなり高くなっている」

手足口病の予防には、手洗いの徹底が効果的だということです。