アメリカ大統領選挙、バイデン大統領の選挙戦からの撤退表明そしてハリス副大統領が事実上後継候補に固まるといった目まぐるしい変化があった。大統領選の行方を探る。

後継者ハリスでムード一変 アメリカ大統領選の行方を占う

バイデン大統領:
私は次の世代に道を譲ることが最善の道と判断した。それがわが国を団結させる最善の道だ。私の素晴らしい副大統領、カマラ・ハリスに感謝したい。彼女は経験豊かで、タフで、有能だ。

選挙戦継続を訴えていたバイデン氏が一転、撤退を決め、ハリス氏を後継者に指名したことについて、杉田氏は…

共同通信 客員論説委員 杉田弘毅氏:
アメリカの大統領選はショーでもあり、エンターテインメントであるので、そういう中でトランプ氏に色々な劇的なことがあったのでトランプショーがずっと続くはずだった。ところが民主党側がお株を奪った形になって、カマラ・ハリスショーが続いている感じがある。結果的にこのタイミングに(撤退したのは)なかなか絶妙。

民主党の事実上の大統領候補となったハリス副大統領は7月23日、激戦州のウィスコンシン州で開いた初の選挙集会で…

ハリス副大統領:
私はあらゆる種類の犯罪者を相手にしてきた。女性を虐待する暴漢、消費者から金をむしり取る詐欺師、自分たちの利益のためにルールを破る嘘つきなど。だからドナルド・トランプのような人間のことは知り尽くしている。

今回、民主党はいち早くハリス氏支持を打ち出し、党を上げて選挙戦に臨もうとしている。

共同通信 客員論説委員 杉田弘毅氏:
民主党からするとトランプを打ち負かさなくてはいけないエネルギーはものすごくマグマのようにあったが、それを代表してやってくれる人を探していたと思う。ちょっとハリス氏に悪いが、ああいうガハハと笑う感じ、目がキラキラ輝いていて人々の魅力を、人々のエネルギーを吸い込むようなそういう人であれば、誰でもよかったと思う。民主党員たちは、とにかく戦いたくて仕方がないわけだから。

対するトランプ氏はバイデン氏撤退後、初めての選挙集会で…

トランプ前大統領:
カマラ、お前はクビだ!出て行け!“インチキ・バイデン”と同じく、ハリス氏もリーダーにはふさわしくない。

トランプ氏は、ハリス氏を「アメリカ史上最も無能な副大統領」と激しく非難し、バイデン政権下で「不法移民が増えた問題で責任を問われるべき」などと批判した。

バイデン氏が撤退したことで世論調査の結果に変化が起きている。ロイター通信などが行った世論調査では、ハリス氏の支持率が44%で、トランプ氏の42%を2ポイント上回っている。