駆け引きはスタート前から レースの見どころは
――風の影響をかなり受けるスポーツですよね。突然風向きが変わったりして、影響はないのでしょうか?
「風向きが変わったら、やはりコースの向きを変えないといけません。というのも『スタートラインから第1マーク』『第2マークから第3マーク』は風向きに対して平行にコース設計を行うことになっています。なので、マークの位置を打ち直すためにスタートの時間が遅れることもあります。
ただ、最近のマークにはGPSが入っているものもあり、マークの位置を細かく設定することが出来ます。自動で位置も調整してくれるので、重りを打ち直す必要が無くなり、時間の短縮と良いコースでのレース運用が可能になりつつあります」
日本セーリング連盟の方によると、選手たちの駆け引きはスタート前から始まっているんだそう。
スタートラインをジャストタイミングで切るには、風をしっかり受けることが重要。スタートのカウントダウンが始まる5分前から、どの艇もブランケ(他の船のせいで無風状態になること)にならないように、最適なポジションを取ります。
――ずばり、“レースの見どころ”はどこですか?
「スタートしたら『右の海面に行くか』『左の海面に行くか』など、選手たちは、風の揺らぎや強さを見極めて選択をし続けています。他のヨットの裏に入ると、風がすでに使われてしまっていて、無風になってしまいます。強い風を使うために、どのペアが良いポジションを取れるのか。風の些細な違いを読みきるポジション取りの駆け引きが見どころです」
「セーリング 混合470級」はフランス・マルセイユで8月2日から予選1レース目が始まっています。スタート前から始まる駆け引きや、風をとらえる技量などに着目しながら、熱い戦いを応援するのはいかがでしょうか。