夏休みに入り、子どもたちが広島市のホテルでパティシエに挑戦です。その目的の一つは、「エシカル消費」について知ってもらうことです。

「グランドプリンスホテル広島」で開かれたパティシエ体験には、4歳から12歳までの子ども14人が参加しました。24日のイベントは、社会や環境のことを考えながら食品ロスなどを減らす行動「エシカル消費」について学んでもらおうと、企画したものです。

パティシエ
「デコレーションで使ってもらうのは、白いチョコレートの果肉です」

白い果肉とは、カカオの実に詰まった「カカオパルプ」と呼ばれる部分です。チョコレートを作る過程でなかの種を残し、捨てられてしまいますが、実は、おいしく食べられるそうです。

イチゴなどのフルーツのほか、カカオパルプを使って、ケーキを飾りつけます。

グランドプリンスホテル広島 岩本真由美 さん
「ふだんであれば目にしない食材も、体験を通して新しく知ってもらえるとうれしい」

作業を始めておよそ20分後、オリジナルケーキの完成です。ケーキ作りを通じて、子どもたちはどのように感じたのでしょうか。

小学6年生
「楽しかった。再利用されている部分がすごい」

小学3年生
「(カカオパルプは)ソルティライチとリンゴジュースみたい。こんなにおいしいゼリーの材料なのに、捨てるのはもったいない」

子どもたちは、エシカル消費について、身近な視点で考えるいいきっかけになったようです。

エシカル消費とは、社会や環境を考えながらモノを買う・食べることです。具体的には、▽エコバックなどリサイクル用品を活用、▽節電や節水、▽食品ロスなどが挙げられます。

消費者庁がまとめたデータによりますと、国内では、1年間で523万トンの食品ロスが出ています。1人あたり毎日、お茶碗1杯分の食べ物が捨てられている計算です。賞味期限が近い商品を選んだり、食べられるものを工夫して調理したりすることなどが大切です。

グランドプリンスホテル広島では、これにちなみ「エシカルケーキ」が販売されています。台風や葉っぱの状態が悪く、出荷できなかったマンゴーやパイナップルをゼリー状のピューレに加工しています。1つ、820円です(9月1日まで)。ムダをなくす取り組みが、ホテルなどでも進んでいます。