日本卓球界を変えた“卓球の愛ちゃん”

『卓球王国』編集長:
「福原愛さんの影響はすごく大きい。小さな子どもの“卓球の愛ちゃん”がテレビで注目されて、最終的に五輪メダルもとった。小さいうちから卓球を始めようという人が増えて、12歳、13歳になったらかなり強いという子が増えた」

五輪3大会連続メダリストの石川佳純選手や、2021年の東京五輪で3つのメダルを獲得した伊藤美誠選手も小さいころ、
「愛ちゃんみたいに強くなりたい」(石川選手)
「愛ちゃんの記録を抜かしたい抜かしたいと思って」(伊藤選手)
と目標を口にし、名選手に成長。

全国各地で、愛ちゃんを目指す子どもたちが増加したことで、ハイレベルな選手が出現し、日本代表の柱となっていったのです。

目標となった福原愛選手は、15歳から日本を背負いオリンピックに出場。23歳の時、エースとして出場した3度目の五輪(ロンドン2012年)では、団体で、日本初の銀メダルを獲得しました。

集大成として挑んだ4度目のリオ五輪(2016年)では、27歳、最年長のキャプテンに。
石川佳純選手(当時23歳)、伊藤美誠選手(当時15歳)と団体戦に出場しました。
銅メダルをかけた、シンガポールとの3位決定戦ー

福原選手は、フルセットの末、第1試合を奪われてしまいます。
するとこのピンチに、“愛ちゃん”の背中を追いかけてきた後輩たちが力を発揮します。
第2試合を石川選手が3-0で勝利。続く第3試合のダブルスも伊藤選手の活躍で勝利。
そして第4試合、「先輩二人を手ぶらで帰らせるわけにはいかない」と臨んだ伊藤選手が3-0で見事勝利!2大会連続のメダルとなったのです。
涙で抱き合う3人の姿は、日本中に多くの感動を巻き起こしました。

新世代で挑んだ、東京五輪(2021年)では、史上初の金メダルを含む4つのメダルを獲得。
▼混合ダブルス【金メダル】⇒水谷 隼・伊藤美誠ペア
▼女子シングルス【銅メダル】⇒伊藤美誠
▼女子団体【銀メダル】⇒伊藤美誠・石川佳純・平野美宇
▼男子団体【銅メダル】⇒張本智和・丹羽孝希・水谷 隼

いま、“最強世代”といわれる、日本の躍進。
それは、ジュニア層の強化体制が整ったことも大きいといいます。