絶滅危惧種の二ホンウナギ、そのみなぎるパワーはどこから???

二ホンウナギは「近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種」として絶滅危惧種(ⅠB)に指定されていて、私たちの食卓に並ぶのは、このウナギの稚魚を捕獲して養殖した養殖ウナギがほとんどだということです。

富山県内でも、天然のウナギは希少です。

魚津水族館 学芸員 不破光大さん:「(二ホンウナギは)川に生息していて、海に下って繁殖して、また川に上がってくるという生活をしている。太平洋側に出てマリアナ海溝まで行って、また戻ってこなきゃいけないんです。帰ってくるには、富山県は結構、大変な場所ですね」

二ホンウナギは、川に生息していますが、卵を生むのは海。しかも、日本海から遠く離れた太平洋側のマリアナ諸島西側の海域なんです。

孵化したばかりの二ホンウナギは「レプストセファレス」とよばれる幼生の姿で、マリアナ諸島周辺からいくつもの海流にのって、約6か月かけて日本列島周辺にやってきます。その後、日本列島周辺で全長6センチ程度の細長い「シラスウナギ」と呼ばれる稚魚へと姿を変えて川に進入。しばらくは、河口付近で生活し、その後、ゆっくりと成長しながら川を上がっていくのです。

魚津水族館 学芸員 不破光大さん:「海から上がってきてすぐのウナギ、シラスウナギは、本当にちっちゃいですよ。紐みたいな。川を上がっていくと、黒子と言って、体が黒くなるんですよ。こうなると顔つきもウナギっぽくなる。甲殻類が好きなんですけど。エビとかカニとかを食べて、どんどん大きくなって、いわゆる皆さんがよく見るニョロニョロしたウナギになるんです」

不破さんは、珍しく黒部市内の河川で去年、捕獲された二ホンウナギの画像を見せてくれました。

魚津水族館 学芸員 不破光大さん:「これは、黒部市内の河川で捕獲された天然の “うなぎ” です。45センチくらいかな…。蒲焼にされる普通のニホンウナギです。こいつは目がクリクリしていて可愛い。富山県は元々、ウナギが少ない場所なので調査の中でも取れる機会はすごく少ないです。生息しているはずですが、あまり出会う機会はないです」

不破さんが愛するニョロニョロとした生き物たち。

中でも、二ホンウナギは、くりくりとした目が可愛くて好きだということですが…二ホンウナギの常設展示は難しいようです…。

記者:「常設展示はあきらめている?」

魚津水族館 学芸員 不破光大さん:「そうですね、うなぎ用の水槽をつくらないとうまく見せられないですね」