悪質業者を直撃 専門家は「吸血型のM&A」と警鐘

行方をくらませたルシアン社の代表と取締役はどこにいるのか。

ルシアン社の代表が“自身の住所”として書いた茨城県土浦市のマンションを訪ねてみると、玄関には代表の名前とともに、「退去した」と書かれた張り紙が。隣人に写真を見せ、話を聞くと…

隣人
「(Q.この人物ですか?)そうです。挨拶した時に出てきた人。『会社の部屋だ』と説明を受けた。『うちはほとんど居ません』と話をした」

一方、行方をくらませたもう一人の人物である取締役は、茨城県内や都内などにある複数の関係先を訪ねるも、行方はわからず。しかし、17日…

記者
「TBSテレビの者だが、○○さん?」

取締役
「すみません。違います」

記者
「ルシアンホールディングスの件についてうかがいたい」

取締役
「急いでいるから」

記者
「企業買収のことについて聞きたいが」

取締役は「急いでいる」とだけ話し、質問には何も答えず立ち去りました。

中小企業の経営に詳しい専門家は、今回の問題は「氷山の一角」と指摘します。

神戸国際大 経済学部 中村智彦 教授
「会社を今まで長年経営されてきた方でも、M&Aに関しては素人で信じてしまう。(買収する企業は)最初からその会社を助けるつもりなんか全くない。(今回の問題は)要するに吸血鬼のような、『吸血型のM&A』だ。本来だったら残るはずだった企業が、残るどころか吸われたカスみたいになってポイッとされる」