「戦後最悪の人権侵害」とも呼ばれる旧優生保護法による不妊手術の強制をめぐり、岸田文雄総理が7月17日、原告側に謝罪しました。面会した浜松市の女性は一夜明け、謝罪を受けての心境を語りました。
<武藤千重子さん>
「私の中ではここを区切りにしようと、本当に自分の中で区切りにしました、昨日」
浜松市に住む武藤千重子さん。17日、被害者の一人として岸田総理から謝罪を受けました。
<岸田文雄総理>
「政府の責任は極めて重大なものがあり、心から申し訳なく思っており、政府を代表して謝罪を申し上げます」
総理官邸には17日午後、旧優生保護法訴訟の原告ら関係者が130人以上集まり、岸田総理と面会。総理は約2万5,000人もの人々が不妊手術を強制されたことは「痛恨の極みだ」として謝罪しました。面会には原告の1人、武藤さんも臨んでいました。
<武藤千重子さん>
「私は視覚障害者の武藤千重子といいます。総理、今日はありがとうございます。私は昭和52年9月1日に次女を生みました。次の日の午後に手術をされてしまいました。2万5,000人もの多くの被害者がいるというのにそれに関わった多くのドクターとか看護師さんがなんの責任も取れないのかっていうことに私はかなり憤りを覚えます」
岸田総理は面会を終えると武藤さんのそばに寄り、何度も頭を下げました。
<武藤千重子さん>
「(岸田総理が)『本当に申し訳ありませんでした』ってそこから声がしなくなったから、多分頭下げてくれてるんだろうなと思って、後で聞いたら、そうだったみたいなので、長く頭下げてましたね。やっぱり私にとっては誠意ある態度だったなと」
これからは「趣味の旅行やサッカー観戦を楽しみたい」と話す武藤さん。今後は国と和解などの手続きを進める考えだということです。