パッケージには「警告文」が11項目も…逆効果?

生徒が食べた“激辛チップス”の箱ですが、大きく「18禁」と書かれています。箱側部には「痛辛」の文字。そして箱の背面には「警告:必ずお読みください。」と多くの注意書きが書かれています
この「警告」は11項目書いてあります。その中の2つを見てみましょう。

▼18禁:辛すぎますので、18歳未満の方は食べないでください。
▼高血圧、高齢者、体調不良、空腹時、胃腸の弱い方は絶対に食べないでください。

このような注意書きがされています。しかし、谷川医師は「18歳以上なら大丈夫だったのか?すべての人が自分の高血圧を認識しているのか?専門家を交えて検証すべきではないか」と話しています。
ホラン千秋キャスター:
いま激辛というのは本当にブームで、様々なメニューや商品開発が進んでいます。度胸試しとして食べてみよう、という気持ちはあったのかもしれません。しかし、人によってこのような症状が出てしまう場合もありますし、年齢により辛さへの耐性がない場合もありますよね。

弁護士 萩谷麻衣子さん:
個人差がかなりある、というとこが難しいところです。明確な法的な規制がないとしても、「カプサイシンの含有量がどのぐらいだと人体に有害な影響を与えるのか」などはどれだけ考慮されているのか、というのはすごく気になります。なので谷川医師の言うとおり、含有量などについて、検証する必要があると思います。
井上貴博キャスター:
線引きが難しいと思うのが、「基本的には食べた人の自己責任」というところなのだと思います。パッケージを見ていても「18禁」や「大人向け」を掲げている。これはある程度周知になっているとは思います。
一方で、これらの表記が興味をかきたてる。パッケージとしては上手だと思います。「ちょっと食べてみたらどうなるんだろう」と興味を掻き立てられる。この“パッケージの是非”も難しい気がします。
警告文も確かに歯止めになっている部分もあれば、興味をくすぐられてしまうところもある。

萩谷麻衣子さん:
書かないよりは書いた方が絶対いいと思います。しかし「じゃあそれで食べてみよう」と興味を持たせるパッケージにならないようにメーカーとしても気をつけなければいけない。
また、口に入れたとき「辛い!」という刺激は胃の中や食道など、内臓に入っても全く同じ状態なので、小さい子どもや疾患のある人には影響がある、ということはきちんと周知しないといけないと思います。
井上キャスター:
例えば、損害賠償請求などになった場合、メーカーとしては「周知してた」ということになるのでしょうか。
萩谷麻衣子さん:
メーカーとしては「どれだけの予見可能性があったのか」というところが問題になってくると思います。
ホランキャスター:
今回の件で、「辛いものを食べると体はこういった反応を体はしうるのだ」ということに気付いたので、激辛を「面白そう、楽しそう」と安易に手を出しすぎないようにしてもらいたいですね。
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<プロフィール>
萩谷麻衣子さん
弁護士
結婚遺産相続などの一般民事や、企業法務を数多く担当