犯罪者は「警察ですよね?」などと事実確認されることを嫌う
日比キャスター:
警察官をかたった事件には次のようなケースもあったようで、音声が残されています。

犯人の音声(行徳警察署提供 2023年2月)
「恐れ入ります。行徳警察生活安全課のナラオカと申します。
○○さんのご自宅でお間違いないでしょうか?」
被害者
「そうです」
犯人
「うちの署の方で銀行職員を2名逮捕してまして、○○さんのご自宅を狙っていたと言っているものですからね。ちょっと名前の確認を取っていただきたいんですけど、ヤマダナオキという41歳の千葉銀行の職員ってご存じないですかね?」
被害者
「どこの支店ですか?」
犯人
「そうですか、じゃあわからないですかね」

被害者
「すみません、かけ直していいですか?行徳警察ですよね?」
犯人
「はい」
被害者
「教えてもらえる?」
犯人
「…(※電話を切る)」

日比キャスター:
犯人とみられる人物は、ここで電話を切りました。やはり、被害者の方が冷静に「かけ直していいですか?」「行徳警察ですよね?」と確認した部分は大変大きいですね。
元埼玉県警本部捜査第一課 佐々木成三さん:
電話だと何も言えなくなっていますので、これが一番の効果だと思います。犯人からこういった言葉があったときに、もう詐欺を疑っていたということですね。
ファクトチェックしようとされることを犯罪者は一番嫌がりますので、こういった行為をぜひしていただきたいなと思います。
日比キャスター:
このやり取りに関してご紹介した内容は、実は千葉県警のホームページにも掲載されています。さまざまなケースについて、正しい情報を持っておくことが武器になるのかなとも思いますが…。
元埼玉県警本部捜査第一課 佐々木成三さん:
こういった特殊詐欺というものは、まずは手口を知ることが一番の防犯対策になると思います。全国各地でこういった犯罪が起きていることをぜひ知っていただき、その情報を必ず確認するという習慣づけをしてほしいと思います。
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<プロフィール>
佐々木成三さん
埼玉県警本部捜査第一課に10年間在籍
現役時代はサイバー捜査の導入に着手
斎藤幸平さん
東京大学 准教授 専門は経済思想・社会思想
著書『人新世の「資本論」』50万部突破














