高卒人材「大卒と区切る理由ない」

加藤キャスター:
この差は一体何なのか、その背景を紐解いてみると、時代とともに高卒の採用が変化していることがわかりました。かつては大学新卒の希少価値が高く、高卒の初任給は最低賃金レベルという時代もありましたが、今は時代が変わりました。

高校生の就活イベントを主催しているジンジブ広報・ブランディングの佐藤純子次長によると「今は“大学全入時代”。大学に入りたい人は大学を選ばなければ入れる時代になったことで、企業側も優秀な人材なら大卒・高卒を区切る必要性がなくなった」と分析しています。

ホラン千秋キャスター:
求人倍率を見ると、かなり大きな差が開いていますね。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
大卒や高卒を区分けして一括で採用するという日本企業の悪しき慣習です。多様な働き方・学び方という時代なので、どんどん活躍できる人は高卒でも入って、その代わりに貯金をしたり、企業の奨学金を得てもう一度大学で学び直すなど、いろいろな方法があって良いという時代になりました。

井上貴博キャスター:
“大学に行くことが全てではない”という考えはすごく良いと思います。大卒で入社すると22歳ですが、高卒だとその時点で入社4年目になっているので、主戦力として働けるのならば金の卵を早く採用したいという企業の思いがすごくわかります。

しかし、大卒偏重のため、大卒市場のような環境が高卒には整っておらずミスマッチが多いです。この部分の解消は自治体か国か、どこができるのでしょうか。

星浩さん:
企業同士で競争し合って良い人材を確保し、全体の待遇をレベルアップしていくことが必要です。最近はAIが普及しており、若い人の方がスキルアップしていきます。

大卒だけでなく高卒を採用し、入社後に能力を伸ばしていけるという時代になってきています。企業は発想の転換をしないといけません。

ホランキャスター:
もちろん各企業違いますが、どういう人が“良い人材”なのでしょうか。

星浩さん:
これからは言われたことを全部やりこなすだけではなく、新しいことにチャレンジしていくクリエイティブな部分や、イノベーションを起こしていく能力が試されると思います。

ホランキャスター:
自分発信でアイディアなどを生み出していくということですね。