うつ伏せの状態で後ろから「3分」首をしめたか

153センチと小柄なつぐみさんには、全身に多くの傷があった。

特に首の前面には、帯状の皮下出血があり、顔は血液がたまり赤く変色していて、軟骨は骨折していた。

つぐみさんの死亡原因は、「首の圧迫に基づく窒息」と診断された。

残された傷から明らかになったのは犯行の状況だ。

首を絞められて抵抗するときにできる傷がなく、後頭部に圧迫された痕があることから、つぐみさんは、うつ伏せの状態で足などで頭を押さえつけられたまま後ろから首を絞められたと考えられるという。

そして、その首を絞められた時間は「3分に近い時間と考えられる」と述べた。

和美被告の右膝には、6月2日ごろにできたと見られる皮下出血の痕があった。

医師「死亡後に手足を縛った」 凶器は特定できず

もう一つ明らかになったのは、犯行の順番だ。

つぐみさんは両手首と両足首が結束バンドで縛られた状態で発見された。

手先や足先にうっ血がないことなどから、死亡する直前もしくは亡くなった後に手足を縛られたと断言した。

弁護側は冒頭陳述で、「被害者がうずくまっていたので財物を奪う気になって結束した」「首を圧迫する行為をしていない」と述べ、殺害について否認している。

一方、凶器については断定されなかった。

現場に落ちていた半分ほどがねじられたポリ袋の写真を見て、検察から「凶器と考えられるか」と問われたところ、「はい」と答えた。

一方、弁護側から「ポリ袋以外で締められた可能性はあるか」と問われると、こちらにも「はい」と答え、凶器を断定できない考えを示した。

8日は辻被告に発言の機会はなかった。

時折咳き込んだり、手で目をこすったりしていた。

9日も午前10時から別の証人が証言台に立つ予定だ。