2.持針器とセッシ(ドベーキー)での針の持ち替えが恐ろしく安定している。

小山さんの緊急手術(腹部大動脈瘤人工血管置換術)の時、渡海先生に「やれよ!」と言われて縫合する場面。結局失敗して大出血してしまうのですが、世良先生は外科医として非常に高い能力を持っていることが一発でわかる場面があります。

持針器(針を持つ器械)とセッシ(ドベーキー)で針を持ちかえる場面があるのですが、あの場面、普通の人がすると手が震えてしまうのです。ほとんどの人が震えてしまいます。特に慣れている外科医でも大半のひとは手が震えます。

それが世良先生はまったく震えず、一発で針を掴みます。これは練習の成果ではなく天性のものです(もちろん練習して震えなくすることは可能です)。

本番前の練習の場面でも思いました。竹内さんは全く震えずに針を持ちかえ縫合することができるのです。別にリップサービスではなくこれは本当にすごいことです。周りのスタッフさんたちも挑戦しましたが、みんな震えてしまう。

震えてしまうと針の持ち替えが遅くなり、時間がどんどんと経ってしまい、患者さんに非常に負担がかかります。あの場面を見ただけで、世良先生は外科医として非常に優秀で才能があることがわかります。