■抗原検査とPCR検査 どう使い分ける?
ホラン千秋キャスター:
抗原検査が十分でないのであれば、万全を期すためにPCR検査を受けたいと思ったとしても、症状があってPCR検査を待っている患者さんが多いと聞きます。(PCR検査は)受けられるものなのでしょうか?
国際医療福祉大学感染症学講座 松本哲哉 主任教授:
PCR検査はかなりニーズがあって、症状がある人で受けたい人もいる中で、帰省するから受けたいと思っても予約はほとんど入らないと思います。その代替として抗原検査キットで検査をしたこの家族は安心して帰省したんでしょうけど、結局、抗原検査キットは無症状だと陰性であっても感染は否定できませんので、そのあたりのことはもう1回理解しておいていただければと思います。
ホラン千秋キャスター:
となると先ほどのご家族のように、抗原検査で陰性だったけれども結局陽性になってしまう方はたくさん出てきてもおかしくないわけですよね?
松本主任教授:
抗原検査キットにかなり検査が偏ってきていますので、そうすると陰性だったということで安心して帰省して、場合によっては陽性になってしまった例もあると思います。なので、陰性だったとしてもお年寄りとかにご実家で会う場合はマスクなどもちゃんとつけた状態で話をすることが大事だと思います。
井上貴博キャスター:
各自治体が検査場を設置する政策を取っていますが、検査って100%ではないですし、その時点で陰性なだけでそこから帰省の数時間でかかることが考えられます。そうすると、陰性ということでマスクなどを外すことを考えると、全員が検査を受けるよりも無症状であれば無症状感染者だと思って行動した方が有効な気がするんですけど、この自治体の政策の有効性はどうお考えですか。
松本主任教授:
逆に言えば検査で陰性だったということで、感染していても安心してマスクを外す人が出てくることが感染の広がる要因にもなると思います。そういう意味で、今まで皆さんマスクをしていただいてこれが広がりにくい状況を作っていたんですね。逆に検査が陰性であることによって自分が感染していないという変な証明になったと思われることが、ある意味誤った判断をしてしまうと思います。