「こんなずさんなことあっていいのか…」支払いミス認めるも返還請求

なぜこんなことになってしまったのか、佐々木さんが電話で公立学校共済組合に確認してみると…。

佐々木さん(仮名)「なんで間違えたかわかってないんですか?」
公立学校共済組合「きちんと処理していたら、多額の過払いは発生しなかった。完全にこちらの処理誤りで大変申し訳ございませんでした」

佐々木さんの母親は60歳から公立学校共済組合から共済年金・日本年金機構から厚生年金を受給。

その後、夫が亡くなり、日本年金機構から遺族年金も受け取る選択をします。

それに伴い、共済年金と厚生年金は半分となるはずでした。
ところが共済年金は公立学校共済組合から誤って、全額支給されていたというのです。

公立学校共済組合はこのミスに10年気づかず、過払いの額は600万円以上に膨れ上がりました。

公立学校共済組合
「完全にこちらの処理漏れで、お母様が何か間違えたということではございません」
「ただ申し訳ないですが、本来ならお支払いすることはできなかったので、こちらのほうは返済いただくほかない」

10年前から天引きされていたことに、最近気づいた佐々木さん。
残りは約450万円で、返済には30年ほどかかる計算です。

さらに…

佐々木さん(仮名)「母親ことし85歳なんですけど、まだだいぶ残ってますよね」
公立学校共済組合「そうですね」
佐々木さん(仮名)「最終的には僕らに回ってくるんですか?」
公立学校共済組合「もしも返済が終わらない場合は、負担額についてはご遺族の方にお願いする形になります」
佐々木さん(仮名)「わかりました。ありがとうございます。失礼します」

佐々木さん(仮名)
「なんにもしてないのに僕400万円も借金あるんですか…きついな。受け取る金額に関しては、貯金もないですから」
「向こう(公立学校共済組合)におまかせとなっているのに、そこでミスがあって後になってから返せってしんどいですね…こんなずさんなことってあっていいのかな」

取材に対し、公立学校共済組合は佐々木さんの母親の年金について
ミスを認めたうえで、法律で決まっているため返還を求めるとしています。

佐々木さんは働くことができない中、「八方ふさがり」だと嘆きます。

佐々木さん(仮名)
「まさか年金絡みでお金を取られ続けるなんて考えてもいなかったので、真面目に納め続けていたらそれなりにあるのかなと思っていた」
「どうしていいのか理解できない。途方に暮れますね」