“世界最大”の総選挙が行われたインドできのう、モディ氏が3期目の首相に就任しました。インド経済は今後、「世界のハブ」となるのか。巨大市場に挑む日系企業を取材しました。
インド北部のハリヤナ州。ここは日本の大手農機メーカー「クボタ」の現地工場です。インド人の従業員が部品の組み立てから出荷までを一貫して行い、1日あたりおよそ120台のトラクターを製造しています。
エスコーツクボタ 福岡誠司 副社長
「生産台数を右肩上がりに増やしていっているのですけれど、もうあと20%とかそれぐらい上げたら上限に達する」
製品情報はITに強いインドの従業員が管理していて、検査などの効率も上がっているといいます。
従業員
「手作業だと時間がかかりますが、ITを使えば、とても速く作業ができます」
人口14億人のうち、6割が農村部に暮らすインド。トラクターの販売台数は、年間100万台近くと成長が続く世界最大の市場です。
クボタは16年前、日本の農機メーカーとして初めてインドに販売会社を設立しましたが、高品質などを売りにした製品はなかなか売れず、「苦難の連続だった」とトップはいいます。
クボタ 北尾裕一 社長
「社会のインフラですね、道路とか、こういったものがなかなか整備されない。つまり、トラクターがあくまでも重量運搬物をけん引するというトラックの代わりに使われるということで、なかなかその時代の進化が我々の想像したようにはならなかった」
こうした習慣に対応するため、農作業以外にも使用できる多目的のトラクターを開発し、徐々にシェアを拡大。また、おととしには現地の大手メーカーを1500億円で子会社化しました。
低価格帯の市場にも参入するとともに、アフリカなどへの輸出を強化し、インドを海外戦略の一大拠点にする構想もあるといいます。
クボタ 北尾裕一 社長
「インド市場、インドのものづくりを含めて、これから我々としては全世界で活用していけるんじゃないかなと」
インドの経済発展をけん引してきたモディ氏は、3期目の首相の就任にあたり、こう強調しました。
3期目就任 モディ首相
「明確なロードマップをもって、インドの経済を世界3位に引き上げることを達成する」
インド政府は、現地に進出する日系企業を「現在の1500社から1万5000社に増やしたい」と胸を張りますが、専門家は日系企業にとって法制度などの面で不安要素も少なくないと指摘します。
第一生命経済研究所 西濵徹 主席エコノミスト
「州レベルの権限がまだ大きい。地方政府との兼ね合いで全く物事が動かないこともありますので、まだまだビジネスを行っていく上での障壁はくすぶっている」
今回の総選挙で与党が議席を大幅に減らし、モディ氏の求心力に陰りもみえるなか、投資環境がどこまで整備されるのか注目されます。
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