欧州では大学完全無償化も 米国は高く

大学の学費について世界を見てみると、例えば、ヨーロッパは公費の投入が大きい国が多くあります。
フランスは、教育費は無償であることが憲法で決まっています。登録料など年間で約3万2000円払えば、それ以外で払うことは基本的にはありません。フィンランド・スウェーデンは公立私立に関わらず無償と決まっています。
一方、アメリカのハーバード大学は年間で850万円、州立大学は300万円~400万円と比較的抑えられているものの、日本に比べれば高い金額がかかってしまいます。
ハーバード大学を卒業したパックンは「学費が高いことでトップレベルの教授を呼ぶことができる。公費を投入すると大学が甘えて競争力が低下する」としています。
ちなみに、パックンは自分で稼いだお金、親からの援助、さらに3分の1ほど政府からの奨学金で学費を何とか払っていたということです。
小川キャスター:
パックンもそういった学生だったわけですね。大学が競争力を高めて、大学の質を維持する、そして向上していくということはもちろん必要だと思います。ただ、その学費が教育格差をさらに広げていくということもあってはならない。大学の質を落とさずに、どうやって学びたい人が誰でも学べる環境を整えていくのか、ということですけれども…

伊沢さん:
海外との比較がすごく難しいのは、フランスとか他の国は税金のシステムが違ったりしますし、文化も違いますよね。アメリカの大学がこれを維持できているのは、OBからの寄付がすごく大きいんですよね。寄付を使って奨学金を充てて、高い教育を受け、その中でBIGになった人が愛校心を持ってまた寄付をするというループが生まれている。
しかも寄付で集まった額を、海外の大学、特にアメリカの大学では運用してるんですよね。資産運営をして、ある程度リスクを取って投資することによって大きくすることができてるから、大きな経済規模を保つことができてるわけです。
日本の国立大学はそれが法律で制限されているんですよね。なかなか利回りの高いような投資はできなくて、国債とかに使うしかない。
なので、給付金は減らされてるのにお金を増やす手段というのも制限されている、というのが今の国立大が抱えている問題なのではないかと思います。
となったときに、これで生徒が泣きを見るのはとても苦しいですよね。本当に仕組みとか文化から変えていかなくてはいけなくて、教員や大学と生徒が対話をしたりとか議論をしたりすることで解決できる問題ではもはやないのではないか?と思うので、教育の質の低下を招かないためにも学生はまず悪くないんで。仕組みから変えてほしいですね。

小川キャスター:
さらに教育費にお金がかかってしまうとなると、昨日ちょうど合計特殊出生率が過去最低の1.20となったニュースもお伝えしましたけれども、この出生率の低下にもさらに拍車がかかってしまう可能性というのもありますよね。
伊沢さん:
間違いなく影響は出てきますし、当面の対処は先ほども言ったように奨学金になってしまうとは思うんですけれども、やはり貸与でなくて給付が増えていくべきですし、親の収入要件で給付額が決まるような奨学金が多いんですけど、東大の同級生で「医学部に行けと言われたんだけど医学の道に進みたくないから親からお金をもらわずに進学した、東大は安いから」みたいな需要というのも国公立にあるわけです。
そういう人たちが教育に十分にアクセスできなくなるというのは国にとって損失ですから。教育は格差というものを是正する役割も持っている以上、アクセスの担保は金額面でとても大事になってくるかなとおもいます。国はそこまで考えて制度設計していただきたいですね。














