全国の高等専門学校と地元の企業が連携してアフリカの課題解決をめざす取り組み、「高専オープンイノベーションのキックオフイベント」が新潟県長岡市の長岡技術科学大学で4日、開かれ、参加する学生の募集が始まりました。

会場には長岡技科大の鎌土重晴学長や独立行政法人 国際協力機構(JICA)の中村俊之理事長特別補佐、駐マダガスカル・コモロ日本国大使の阿部康次氏らが顔を揃えました。

今回、長岡技科大とJICAが共同で全国の高専生に呼びかけ、テクノロジーを活用しケニアに持続可能な産業適地をみつけたり、マダガスカルの食料生産の仕組みを生み出したりするためのアイデアを出し合ってもらい、地元の企業と連携して課題解決に取り組みます。

高専オープンイノベーションは過去に長岡高専がケニアに生息する昆虫、アメリカミズアブを用いてごみを処理するなど、2019年から4回行われ、全国13の高専から延べ203人が参加しました。

こうした試みが評価され、2023年度は内閣府が主催する日本オープンイノベーション大賞の最優秀賞に選ばれました。

4日のキックオフイベントでは鎌土学長が「長岡技科大は県内の自治体から地球規模までの課題を解決する、地域まるごとプロデュースに取り組んでおり、大学のリソース(人材)を活用しながら今回の事業を推進したい」と挨拶しました。

また、阿部大使は「単にお金を出すのではなく、高専生に現地を訪れてもらい社会課題を解決するという日本らしい協力であり、素晴らしい。」と期待を寄せていました。

このほか、長岡技科大の山口隆司教授は以前、高専オープンイノベーションを通じて、ケニアできれいな水を確保する取り組みを進めた結果、その装置を活かして能登半島地震の被災地に手洗い場を設置したケースを紹介し、日本での課題解決にも応用されている実情を紹介していました。

長岡技科大はJICAと業務委託契約を結び、高専オープンイノベーションに参加する学生を積極的に支援する方針で、キックオフイベントをきっかけに全国の高専にむけて募集を始めました。