派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法の改正案が、衆議院の特別委員会で可決しました。ただ、「抜け穴だらけ」と指摘される改正案には疑問の声もあがっています。

街の人
「自分たちで法律を作るから、抜け道はいっぱいあるのかなと思いますね」
「また同じ繰り返しになるんじゃないかと懸念」

裏金事件に端を発した政治不信。失った信頼を回復できるのか。そのカギとなる政治資金規正法の改正案がきょう、委員会で採決され、与党のほか日本維新の会の賛成により可決されました。

岸田総理
「実効性のある再発防止策・改革案を提案しなければならない。そういった思いで取り組んでまいりました」

「抜け穴だらけ」との指摘が相次ぐ中、「信頼性を確保する観点から、案を修正した」と強調した岸田総理。ただ、最新のJNNの世論調査では、修正案を「評価しない」と答えた人が70%に上っています。

実際、修正案について意見を聞いてみると…

街の人
「10年…これ何で10年後なんでしょうね」

疑問を口にしたのは、政党から議員個人に支給される政策活動費について。法案では10年後に領収書などを公開するとしていますが…

街の人
「いま現在の状況を公開した方が良いんじゃないでしょうか。よく見ると確かにこれは変です」
「もっと早くてもいいのかなって思いますよね。公開の時期が1年後とかでも半年後でも良い」

野党も「10年後に不正が発覚しても、誰も罰せられないのでは」と指摘しましたが、岸田総理は…

岸田総理
「保存・提出・公開については具体的な制度の詳細、早期に検討を行い、結論を得ると。法案が成立した暁には罰則の要否等も含めて、各党・会派で検討を行われるものであると認識」

また、野党が禁止を求める企業・団体献金について、改正案に言及がないことにも有権者から疑問の声が…

街の人
「何もやらないと、全然改革したくないと。要はこれ(企業・団体献金)がないと困ると、自ら吐露しているんじゃないかと思います」

岸田総理
「今回の事案は特定の企業からお金が動いたことによって、政策が歪められたというものではない。こういった点を勘案したうえで、今のルールをしっかり徹底することが重要との判断になった」

と、企業・団体献金の禁止が盛り込まれていないことについて、問題ないとの認識を示しました。

改正案はあす本会議でも採決され、衆議院を通過する見通しですが、国民が納得する改革になるのでしょうか。