コロナ禍を乗り越え、信頼関係を築き…協調の機運が醸成されていった

転機が訪れました。新型コロナです。協議が中断する中、岡山市内のバスの利用者は激減しました。

岡山市は運賃無料デーや高齢者らの運賃を半額にするなど、利用促進に向けた策を講じ、バス会社との信頼関係を徐々に築きました。ついに、協議が再開されました。

(岡山市理事・交通政策担当 平澤重之さん)
「今度は全社の合意を得ることができる計画を作り上げるぞと。やるぞと」

職員は直接バス会社に足を運び、対話を心掛けました。ダイヤや運賃を決める担当者からも細かい聞き取りを行いました。見えてきた各社の事情から妥協点を探り、計画を練り上げたのです。

(岡山市交通政策課 平田晋一さん)
「9社の事業者さんたちと一緒に作り上げていっているような一体感を感じながらやっていました。大変ですけどね」

今年2月…ついに、路線の再編計画は大筋で合意に達しました。バス会社間にも協調の気運が醸成されてゆきました。

(両備グループ 小嶋光信代表)
「今回経営努力がいきる仕組みというものを岡山市が導入することを決めた。これは私は大変に評価していいという風に思っています」

(岡山市理事・交通政策担当 平澤重之さん)
「本当に嬉しかったですよね、よくここまで来たなという思いはありますよね。できるだけ早く実現していく必要があると思っていますので、それについては担当者と一緒に全力で取り組んでいきたいと思っています」

山が動きました。路線再編は来年度からの実施を目指し、協議が続けられます。

(スタジオ)
岡山市は今回の再編で中心部などに公共交通で行ける人口が1万7000人増え、乗り換えずに病院に行ける沿線人口が5万人増えるとしています。

具体的な便数や運賃など決めなければいけない課題も残っていますが、これからに期待したいと思います。