一般の家庭でも簡単に使えるように、糀を基にして作る味噌や三五八のもと。それにあま酒の販売を始め、この100年で様々なヒット商品を生み出してきました。

中でも発酵食品業界に衝撃が走ったのが2003年に販売を開始したペットボトルのあま酒です。それまでは袋型の入れ物で販売することが主流でしたが、宝来屋は日本で初めてペットボトルに入れて『冷やして飲めるあま酒』を開発しました。

管理が難しいと言われる糀のあま酒の開発に、先代の正人さんは試行錯誤を重ねました。

--柳沼広呂人社長(宝来屋)「その時にかなり失敗したんですよ。酸味が出てしまったり、ふくれてしまったり。たくさんの失敗を重ねて、いまのペットボトル商品につながりました。」

失敗をしても開発をあきらめなかったのは、先代の「誰でも手軽にあま酒を口にできるようにしたい」そんな思いがあったからです。

--柳沼広呂人社長(宝来屋)「袋を破って鍋に入れて、お湯で薄めてというスタイルがその当時はほぼほぼだったので、ストレートタイプに加工して薄めずにそのまま飲める。キャップをとってそのままごくごく飲めるスタイルにこだわりたかった。」

そして現在、宝来屋は発酵食品の可能性を広げようと新たな商品を開発しています。去年、販売を開始したこちらの商品は、米糀と小豆で作った「発酵あんこ」。砂糖不使用ながらやさしい甘みと豊かなうまみを醸しだす一品です。

--柳沼広呂人社長(宝来屋)「発酵食品が静かなブームになっているので、発酵あんこや醤油こうじなどいろいろなヒット商品の開発をがんばっていこうと思っています。」

糀屋から始まった宝来屋には、100年以上受け継がれる伝統と、発酵食品の可能性を探り続ける探求心がありました。

『ステップ』
福島県内にて月~金曜日 夕方6時15分~放送中
(2024年5月30日放送回より)