イチローさんへの“恩返し”



高松商業には、甲子園予選を目前に控え、どうしても倒さなければいけない相手がいました。

山田選手&浅野選手:英明高校です。

実は高松商業は、秋の大会、春の大会と英明高校に敗戦。

チームの中心は140キロ台中盤の真っすぐに切れのある変化球で打者を翻弄するエース寒川航希投手(3年)です。

浅野選手:
(英明高校と)差を感じていたんですけど、今戦ったら食らいつけるかな。余裕で勝てる相手ではないですね。

3年生にとって、夏の大会は負ければ引退のラストチャンス。イチローさんに恩返しするためにも、絶対に負けられません。

山田選手:
この3年の夏で甲子園に行くっていうのが目標だったので。この大会っていうのはほかの大会とは違った思いがあるのかなと思います。

大坪太陽選手(3年):
ずっと憧れてて・・・高松商業で野球するのを。どうせやるなら楽しんで、終わりたいので、みんなで甲子園を目指して頑張りたいです。

井櫻悠人選手(3年)
イチローさんにはまず、夏の香川県大会を優勝しましたという報告をしたいです。

そして迎えた香川県大会・決勝。イチローさんとの約束を果たすため、英明高校にリベンジを。運命の一戦が幕をあけました。



高松商業は3年生のエース渡辺和大投手が先発。ランナーを許しながらも得点を許さない、持ち前の粘りのピッチングで得点を許しません。

すると3回、先制のチャンスでイチローさんにインコースの打ち方を教わった山田選手が、英明高校・寒川投手のインコースをさばきセンター前ヒット。先制点を挙げます。

山田選手は「詰まることを恐れずイチローさんは振りぬくっていうことを言っていたので、それが結果として自分のスイングっていうのが出来た結果があのヒットにつながったと思うので、すごくよかったです」と振り返ります。

さらに4回にはプロ注目の浅野選手が英明のエース寒川投手を捉えます。

まずは、レフトスタンド後方に球場中がどよめく特大の場外ファール。さらに、その直後でした。左中間に打ち直しの一発を放ち5点を先制。

序盤からのリードを守り抜いた高松商業は見事、6対4で英明をくだし、22回目の夏の甲子園出場を決めました。

浅野選手:
秋、春と英明高校に負けて不安もあったんですけど、最後全員でマウンドに集まれてよかったと思います。苦しい場面でもしっかり全力で戦うことが出来たので「イチローさんのおかげで甲子園に行くことが出来ました」というのをしっかり報告したいと思います。

恩返しはまだまだ途中、高松商業の夏はここから始まります。