近年、ブドウの高級品種「シャインマスカット」で、花が開かなくなる「未開花症」の発生が全国で相次いでいます。原因がよく分かっていないこともあり、農家も不安を抱えています。
農家 佐藤政悦さん:
「ここが全部シャインマスカット。今、ちょうど開花の最盛期で」

宮城県富谷市二ノ関の農家・佐藤政悦さん(76)の果樹園です。一部でシャインマスカットを栽培していて、5月下旬から花が咲き始めました。
農家 佐藤政悦さん:
「テレビや新聞では“未開花”という形でだいぶ出ているようだが、今のところ、何とかそういうことはなくて、順調に花が開いている」

シャインマスカットはここ数年、「未開花症」の発生が全国で相次いで報告されています。未開花症は、花を覆う花冠が外れず、正常に花が咲かなくなり、実も育たなくなる障害で、はっきりとした原因は分かっていません。

農家 佐藤政悦さん:
「こういうことが原因で未開花になると分かれば、それに対応できるが、何で起こるかわからないと言われるとどうしようもない」

県によりますと、宮城県内では昨シーズン、2か所で未開花症の発生が報告されたということです。佐藤さんの果樹園ではこれまでに被害はないものの、不安は大きいと言います。
農家 佐藤政悦さん:
「1年つぎ込んだものが、未開花で花が咲かず実にならないというのは販売できないということ。何のためにやってきたのかなとなるので、何とか回避したい」
佐藤さんは毎日見回りを欠かさず、温度の管理や適切な剪定などできる限りの対策を講じています。シャインマスカットは、9月末から収穫が始まる予定です。