新型コロナの感染拡大が続く中、大雨などの災害が全国で相次いでいます。避難所の感染対策は大丈夫なのか、自治体の担当者に聞きました。
<訓練の様子>
「なるべく短い時間でやりますので、よろしくお願いします」
静岡県藤枝市で2020年8月に行われた避難所の運営訓練です。
<訓練の様子>
「ここに敷いてください」
コロナ禍以降、各自治体は体調が悪い人を隔離するテントを備えるなど、避難所での感染リスクを減らす対策を進めてきました。
<藤枝市地域防災課 大石好美課長>
「教室と体育館の使い分けで、安全な人たちは体育館に行っていただいて、隔離が必要であれば教室を使う形になる」
藤枝市では非接触型の体温計や消毒液、防護服、使い捨ての手袋などを入れた「感染防護品ボックス」を各避難所に用意しています。
また、感染症対策を踏まえた避難所の設営・運営方法について、市民に理解してもらうための動画も作成しました。ただ、大規模な災害で多くの人が一斉に避難する事態になったら、どこまで対応できるのか、課題もあります。
<藤枝市地域防災課 大石好美課長>
「今、すごくコロナが流行っている状態で発熱者や濃厚接触者がたくさん避難所に来ると対応に苦慮する部分が出てくると思う」
そこで、考えたいのが「在宅避難」。住宅の耐震化や家具の転倒防止、食料や水、簡易トイレなどの備蓄を進めて、自宅が安全ならば避難所に行かないという考え方です。
<藤枝市地域防災課 大石好美課長>
「避難というのは難を避けることであって、安全な場所にいる人は避難所に行く必要がない。逆にコロナで在宅をしなければいけない人たちも非常備蓄品があれば、それを活用してローリングストックという形で使うのも良い手かなと」
藤枝市では、ICTを活用した避難所の運営訓練にも積極的に取り組んでいます。
<訓練の様子>
「右手がアプリを使用した人、左手が手書きで受付した人です。2分ぐらい差が出ています」
2021年12月には県の防災アプリを使い、スムーズな受け付けで「密」が避けられるのか検証しました。
また、最近は避難所のリアルタイムの混雑状況が分かるシステムを新たに導入しました。混雑した避難所が赤やオレンジで表示され、市のホームページや防災アプリで確認できます。
<藤枝市地域防災課 大石好美課長>
「避難先が混んでいるんじゃないかなという不安から避難ができない人たちを無くすために、避難所が開いているという情報をお知らせするような形になる」
全国で災害が相次ぐコロナ禍の今。感染対策を踏まえて災害から身を守るにはどうしたらよいのか、考えておかなければなりません。
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