もうすぐ梅雨。今年も「カビ」との戦いが始まります。
お風呂場やキッチンなどの水回りだけでなく、身近なモノにもカビが生えることをご存じですか?
靴や傘、スマホやエコバッグなど、日常に潜むカビの対策を専門家に聞きました。

目に見えるカビは「もう成長している」

そもそもカビというのは微生物です。空気の中に浮遊しているカビ菌は見えませんが、栄養源に根を張って、胞子を作って溜まることでようやく私達の目に入ります。
目に見えてカビと認識できているということは、だいぶ成長している状態。

研究歴35年の“カビ博士” 千葉大学の真菌医学研究センターの矢口貴志准教授はー
「どこにでもカビは定着し生育してしまう。カビが体の中に入ってしまうと、食中毒や呼吸器系のアレルギーの症状が出たりすることがあります。
目視できる量になると人体への影響もあるので、予防が大切です」
と話します。

カビが発生する条件は、「温度」「湿度」とホコリや皮脂などの「栄養源」が揃うこと。
この中の一つでも取り除けば発生を抑えることができるといいます。
そこで、今やっておくべきカビ対策をカビ取り専門会社の三好孝典さんに教えてもらいました。

『靴』は乾かしてからしまう

まずは、「靴」。
カビが生えるのは革靴だけではありません。実際にスタッフが使用しているスニーカーのホコリを矢口准教授に5日間培養してもらうと、黒カビやアオカビがびっしり。

カビ取り専門会社「カビ取りマイスター」三好孝典さん:
1日外で履いてきた靴は汗が染み込んでいます。
一晩は玄関で乾かして、翌日にシューズボックスにしまうことでカビの予防になります。

≪カビ予防のポイント≫
◆梅雨入り前には、しばらく履いていない靴も汚れやカビをチェック
◆湿度が上がりやすいシューズボックスは、晴れた日に扉を開けて湿気を追い出す
◆こまめに洗ったり拭いたりして靴のお手入れを

『折り畳み傘』は内側がカビやすい

続いては、つい放置してしまいがちな「折りたたみ傘」。

「カビ取りマイスター」三好孝典さん:
傘はどうしても内側に湿気が回ってしまって、カビが生えやすくなります。

折りたたみ傘でカビが生えやすいのは、外側よりも撥水力が少ない、内側。
カビを吸い込んでしまうだけでなく、傘の劣化にもつながります。

≪カビ予防のポイント≫
◆天気がいい日に、物干し竿などに引っかけて内側を上向きにして天日干し
◆アルコールが含まれたシートでふいてから、紫外線に3~6時間あてると効果的