4月の全国の消費者物価は去年より2.2%上昇しました。伸び率は2か月続けて縮小したものの、物価上昇のペースは今後、再び加速しそうです。そのワケとは…
物価上昇ペース再加速も
都内のラーメン店。1杯950円の味噌ラーメンが看板商品ですが…

味噌らーめん専門黒勝 石黒勝也 店主
「食材費が上がって、ラーメン(の値段)を上げたい気持ちはあるけど、一番安い味噌ラーメンが1100円ってなると、やっぱりちょっと高いなと思われる」
円安の影響などで、麺の原料となる小麦粉の仕入れ値が上がっているほか、チャーシューもおよそ25%値上がりしました。

きょう発表された4月の全国の消費者物価は、去年の同じ月より2.2%上昇しました。伸び率は2か月連続で縮小したものの、日銀が目標とする2%を上回る状況が続いています。

この上昇ペースを再び加速させる可能性が高いのが、電気とガス料金の補助金の打ち切りです。政府は物価高対策として続けてきた補助金を今月の使用分で終了。6月以降は電気代やガス代が値上がりする見込みです。

こちらの店では、営業時間中、常に温め続けているスープの火を客が少ないときには、弱くしてガス代を節約。光熱費を抑えるため、エアコンのフィルターもこまめに掃除しています。

味噌らーめん専門黒勝 石黒勝也 店主
「(夏は)エアコンとか扇風機とか使うので、必然的に電気代は上がっていく。正直やっぱり心が折れそうになる」
影響は私たちの家計にも…

民間のシンクタンクによると、電気・ガス補助金の終了で標準的な家庭では年間で2万2000円負担が増えると試算。さらに、今月からは再生可能エネルギーの普及のため、電気代に上乗せしている料金も値上がりし、家計への負担は増すばかりです。

岸田総理
「来月からは1人4万円の所得税・住民税の定額減税を行い、物価上昇を上回る所得を必ず実現してまいります」
来月からは岸田政権の“目玉政策”である所得税と住民税の定額減税が始まりますが、その効果をどこまで実感できるかは不透明です。