見た目も美しく、おいしそうな、お寿司にパスタ。これらの料理、普段なかなか見ることができない珍しい食材が使われているんです。

その食材というのが『函南チョウザメ』。静岡県函南町にある「Sensabanbetsu(千差万別)」。2022年1月にオープン。函南で養殖している函南チョウザメと、地元の食材を使った料理を提供するお店です。オーナーシェフの舘野毅さんです。

<オーナーシェフ 舘野毅さん>
「どうしてもチョウザメっていうと、サメっていうイメージがあるんですけど、実際はサメではないので。サメっていうと、アンモニア臭がするとか、臭いとかっていうイメージがあるんですけど、実際は、そういうにおいもしないし、タンパクでくせのない魚」

チョウザメは、サメとは違う淡水魚。キャビアがとれることでも有名です。

ランチメニューは、主に2種類のコース料理があります。5500円のコースでは、チョウザメとキャビア、地元の食材を使った6皿が楽しめます。前菜は、サクラのチップで燻したスモークに、揚げたチョウザメを使ったイタリア風の南蛮漬け。チョウザメの寿司が味わえます。「冷製パスタ」は、マリネしたチョウザメに、旬の地元食材とキャビアが、口の中で絶妙なハーモニーを生み出します。

<客>
「食べたことなかったので匂いとかもあるのかなって思ったんだけど全然なかった。南蛮漬けが厚く切ってあったんですけど、すごいふわふわしておいしかった」
「すごいやわらかかった。イメージ硬いのかなって思ってたけど、箸がすぐ入って切りやすかった。食べやすかったです」

舘野さんは、東京の表参道で10年、埼玉で5年、キャビアやチョウザメの専門店で腕を振るったチョウザメ料理の第一人者。『函南チョウザメ』の美味しさに惚れ込み、埼玉から単身で移住してきました。

<オーナーシェフ 舘野毅さん>
「函南って全国で一番、養殖している水温の温度が低いんです。かけ流しで、きれいな水で育てているのもあって、しかも1年間、一定の水温。それで育てることによって何が起きるかというと、身の中に脂をつけようとする。だから函南のチョウザメって身にさしが入るんです」

函南の豊かな湧き水で養殖された『函南チョウザメ』は、2022年1月に函南ブランドに認定されました。館野さんが、チョウザメ料理に情熱を注ぐのには理由があるんです。

<オーナーシェフ 舘野毅さん>
「チョウザメが身として捨てられている現状があった。なんで、こんなにキャビアが広まっているのに、チョウザメって広まってないのって。チョウザメって捨てられてる。卵とったら捨てられてる。オスってわかった時点で捨てられてる。それは、おかしいんじゃないかなって。同じ命として」

チョウザメをもっと気軽に食べて欲しいとの思いから、最近では、チョウザメを使ったどんぶりやチョウザメのテイクアウト総菜も始めました。

<オーナーシェフ 舘野毅さん>
「いずれは全国に『函南チョウザメ』っていう名前が広がればいいと思うし、最終的な目標は日本全国のスーパーの鮮魚コーナーにチョウザメっていうのが県の特産として並ぶこと。そうなれば一番いいかな」