比較検証の結果は…

「当日は、天気が悪く観測はしていなかった」
「愛媛の場合、オーロラは計算上、(地平線から)1度くらいの位置に見えるはずだった」
「なので観測する場合には、山頂などから高さを稼いで、見える範囲を広げると良い」

その上で、くだんの写真に写り込んだ「赤みを帯びた光」の正体については、人工光との見極めが難しいことから、別の日に、同じ場所から同じ条件で撮影をして、比較検証を行うことを勧められた。

撮影から1週間後となる19日午前1時ごろ。

満を持して、記者は再び同じ場所にカメラを立てた。ドライブと聞き助手席に同行していた妻は、大いにいぶかしんでいた。

【1週間後に撮影した写真にも、同様に「赤みを帯びた光」が写り込んでいた】
【広島市の方向を撮影した写真】

この日も星の見えない天気で、やはり1週間前と同じように、空一面に雲が映り込んだ。そして同様の「赤い光」も見事に写り込んだ。

その正体は結局のところ、対岸の街明かりだったようだ。大いに脱力した。社内で「オーロラ」という単語を言い回らなかったことが、せめてもの救いだった。

「まぁつまり、観測できなかったということが確認できた訳ね」

カメラの液晶モニターをのぞき込んだ妻は、あくびをかみ殺しながらつぶやいた。

【ちなみに「オーロラ」を狙った場所。なんだか現場写真感がすごいけど、とにかくこれだけ暗ければ、気象条件次第では星空が期待できそうな場所なのだ】