コタツ記事の消滅危機にテレビ業界は…
ところが、コタツ記事が消滅すると困るのがテレビ局だ。ネット上でテレビを見てもらう、つまりTVerで番組を見てもらうのに、コタツ記事は実は大いに寄与してきた。
コタツ記事は基本的に「事後記事」だ。番組が終わった途端、いや番組が終わらないうちに、何か強い発言や、番組内で起こったちょっとした揉め事が、コタツ記事化される。え?そんなことあったの?見ればよかった。少なからぬ人々が、コタツ記事を読んで番組を見たがる。今はそんなニーズにTVerが応えてくれる。
この論にはデータはないし、データの出しようはないと思う。だが私自身、憎んでるはずのコタツ記事を読んで、その番組を見たくなったことは数えられないくらいある。そしてその何%かは、スマホでTVerを呼び出して番組視聴につながったかもしれない。ちゃんと記録してないので何%かわからないが。
だがまちがいなく、ニュースアプリの見出しを埋め尽くすコタツ記事は、テレビ視聴に貢献してきた。それがなくなるのは、大袈裟に言うとテレビ業界にとって大きなマイナスだ。だからこれからは、テレビ局自身がコタツ記事を作ればいい。ただし、これをまともに作成するのは大変だ。外部ライターを雇うなどでかなりの人件費がかかりそうだ。
だが心配いらない。他ならぬコタツ記事なら、生成AIに書かせれば量産できるだろう。MFAサイトが大増殖したように、テレビ局による自分たちのためのコタツ記事も量産は可能だ。コタツ記事のような定型タイプの記事は、生成AIに託しやすい。
では実際にどうすればコタツ記事を生成AIに作らせることができるだろう。録音だ。番組の台本を読み込ませる手もあるが、おそらくコタツ記事になるような「ちょっとザワつくひとこと」は台本にはない。録音したものを使う。そしてその番組のXを観察させてザワついたら該当箇所をテキスト化。前後の文章も作成して記事にすれば、コタツ記事が配信できる。
これらの作業が果たしてどこまで生成AIで簡単にできるかは、試行錯誤しないと言えないが、最近生成AIでいろんな実験をしてみている私としては、できる!と断言する。しかも、生成AIは日々進歩し、先日はChatGPTが声で対話できるようになったと発表した。さっきの「録音」のプロセスが省けるかもしれない。生成AIに番組を聞かせて、面白い発言をピックアップして記事にして、多少誤解されてもいいからバズるようにね、と言えばコタツ記事の量産は楽勝だ!














