きっかけは水性ペンとの出会い
1歳半の時、知的障害があることがわかった正広さん。絵を本格的に描き始めたのは、小学校4年生の夏休みからでした。

正広さんの母・鈴木京子さん(64):
「ポスカという水性ペンと出会い、すごく発色がいいペンで夢中になって試し書きなど描き続けた。描いた絵を担任の先生が目にとめてくださって、美術部の先生に出品してくださいとお願いした結果、賞をもらえた」

9年前、正広さんが七夕や信号機などをモチーフに描いた作品です。それまでは「青」を使った絵がほとんどでしたが、カラフルな色遣いが特別支援学校の担任の目にとまり、子どもの絵の美術展、「全国教育美術展」に出品したところ、特選を受賞したのです。これが正広さんにとって転機となりました。

母・鈴木京子さん:
「学校の先生や友達やスクールバスの運転手さんまで、みんな正広君のことを褒めてくださって。家に帰ったら絵を描くと言っていた。ほめ続けてくださった皆さんにありがたい気持ちでいっぱいです」