2人のキーパーソン 対中国での役割は?

小川彩佳キャスター:
今回の総統選挙の投票率は71.86%ということで、日本とはずいぶん違いますよね。

QuizKnock 伊沢拓司さん:
期日前(投票)もないと聞きましたけど、この投票率はめちゃくちゃすごいですよね。

小川キャスター:
この違いはなんでしょう?

伊沢さん:
そもそも地政学上の違いとか、リスクの違いもあったりするし、文化も違うとは思うんですけど、民進党政権が、蔡英文さんの時代から若者たちとすごく密に繋がっていて、学生グループのリーダーたちとのLINEグループがあって意見交換をずっとしてるみたいな話もありました。

そもそも民進党が若者に向くようになったのは、一度、若者の投票率が下がって政策が若者よりではなくなった時に、若者たちが投票率を再び上げて動いたという。これは日本にもすごく教訓的なことです。

若者が動くと政治が変わるという、すごくいい例だと思うので「投票に行くべきだと思った20代が政治を変えた」良い例があるからこそ、彼らも若者を重視して投票率が上がってるのかな?というのは、高齢化が進んでる台湾だけど、あるかなと思いますね。

藤森祥平キャスター:
今回、台湾の新総統に就任した頼清徳氏。実は2人の注目すべき人物がいます。

1人が前総統の蔡英文氏、もう1人が、今回、副総統に就任した蕭美琴氏です。星さん、この2人が担う役割は何でしょうか。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
ある意味では「3人のチームを結成している」と言っていいと思います。蔡英文さんは8年間総統をやって、ブレーンも引き継ぎました。中国との関係について、独立志向の頼清徳さんを抑えにまわるということもあります。

蕭美琴さんは事実上のアメリカ大使をやっていて、アメリカの議会にも相当のパイプがあって、アメリカとのコネクションは非常に強いです。そういう意味で、この2人が頼清徳さんにいろいろアドバイスをしながら政権を運営していくことになり、そういう意味では面白い政権になると思います。

一方、日本側ですが、今回、31人の国会議員が訪台しました。

特徴的なのは、今まで台湾というと、自民党の保守派の専売特許のようでしたが、今回は自民党だけではなく、立憲・公明・国民・維新などバリエーションがあります。台湾の民主主義、TSMCを初めとした新しい分野の産業に対して非常に関心を持っていることがわかります。

アメリカも共和党が中心だったのが、最近のペロシ議長のようにリベラル系の人も行くようになって、そういう意味では、日本も台湾に対する向き合い方が新しいステージに入ってきたと言っていいと思いますね。

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<プロフィール>
伊沢拓司 さん
株式会社QuizKnock CEO
東京大学経済学部卒
クイズプレーヤーとして活躍中

星浩 さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島出身
政治記者歴30年