20日、台湾では頼清徳新総統の就任式が行われ、頼氏は中国との関係について「現状を維持する」と強調しました。一方、中国政府は「台湾の独立は死に至る一本道だ」と早くも強い言葉でけん制しています。

台湾・頼新総統 中国と「現状維持」訴え、中国「独立は死に至る一本道」

まるで音楽フェスのような盛り上がりを見せる台湾の新総統就任式の会場。

そして…

記者
「総統の交代を象徴するかのような光景です。頼清徳新総統と蔡英文前総統が姿を見せました」

20日、新総統に就任した頼清徳氏。中国と距離を置く民進党の総統です。

総統直接選挙が始まって以降、同じ政党が3期続けて政権を担うのは初めてです。  

頼清徳 新総統 
「私は中国に対し、台湾への威嚇をやめ、台湾と共に世界の責任を負い、台湾海峡や地域の平和と安定の維持に力を注ぎ、世界が戦争の恐怖から免れるのを確保するよう呼びかけたい

中国との関係について「卑下せず、おごらず、現状を維持する」と強調。

一方、頼氏の総統就任を受け中国政府は…

中国外務省報道官
「強調するが台湾独立は死に至る一本道だ

「どのような看板や旗印を掲げて台湾独立を推進しても失敗するに決まっている」と強くけん制。  

また、台湾が実効支配する離島の金門島周辺の禁止水域に中国海警局の船がたびたび進入するなど圧力を強めています。

今回の就任式には超党派の日本の国会議員、31人が出席。

過去最大規模の訪問団で就任式の直後、頼総統は日本の議員団と昼食を共にしました。

日華議員懇談会 古屋圭司会長
「中国の脅威が増しているのは現実ですから、日台関係はこれまで以上に重要になってくる」

一方、中国の駐日大使は不快感を示しました。

呉江浩 駐日中国大使
「日本からは30名以上の国会議員・要人が出席しているようで、このような行動は公然と台湾独立勢力に加担するものであり、極めて誤った政治的シグナルを送っていることであります。もちろん中国側としては断固反対します」