「個人消費」4期連続のマイナス 物価高による「節約志向」が影響か

小川彩佳キャスター:
物価高がGDPに影響しているということです。

23ジャーナリスト 片山薫 記者:
GDP=国内総生産の約6割を占めるのが個人消費で大事な指標ですが、4期連続のマイナスとなっています。1月から3月期の個人消費はマイナス0.7%で、エコノミストの予想「マイナス0.15%」を下回った結果で、かなり深刻です。円安による物価高が節約志向を高めているというのが如実にあらわれた形です。

藤森祥平キャスター:
家計調査で、2023年度“消費を減らした”というものは、麺類マイナス5.0%、魚介類マイナス5.3%、乳製品マイナス6.3%、下着類マイナス6.2%、書籍マイナス5.8%となっています。

小説家 真山仁さん:
マイナス0.7%で騒ぐべきなのか、「誤差かもしれない」とも思いたいです。ムードで「ダメ」だと思ってしまうように感じます。日本人はムードに弱く元々臆病です。バブルがはじけてから、「国は助けてくれない」と思い始めていますから、少しでもマイナス要因があると「お金を使うのをやめよう」となってしまいます。

藤森キャスター:
これだけマイナスが続いていて、実質賃金も下がっていたら伝えないわけにはいかないですよ。

真山さん:
コロナが明けてから(お金を)使った反省もあるように感じます。コロナ禍でずっと我慢していた開放感から(お金を使ったということも)反省材料になって、「ほら見たことか」という状況になっているように思います。

ただ、あまり騒ぎ過ぎない方が良いと思います。本が売れないというのは、本を読まなくても死にはしないということがあると思います。よく見ると、本当に命に大事なものの消費が減っているわけではなさそうです。「今、買わずに1か月我慢しよう」といえるものがある間は、安心して良いのではないかと思います。

小川キャスター:
ただ、私達も日々お伝えする中で、何か希望になるような兆しはみえないだろうか、そういった情報はないだろうかと探りますが、なかなか見えてこない状況です。その中で、教育費が下がっているというのは深刻な問題だと思います。

藤森キャスター:
家計調査によると、子育てに関係する消費は、塾代などがマイナス10.5%、仕送りはマイナス18.7%という結果です。

片山記者:
子育て世代の収入がかなり厳しいのだろうと感じます。2023年は30年ぶりの賃上げでしたが、結果を見ると20代や新卒の給料上がっていますが、ミドル層やシニア層の賃金は上がらなかったようです。そのため、子育て関係で抑えるしかなく、子どもにしわ寄せがいっている現状はあると思います。