客が理不尽な要求をする「カスハラ」。企業や自治体が新たな対策を始めています。
客の迷惑行為“カスハラ”
“カスハラ”とは、「カスタマーハラスメント」のことです。
顧客などからの暴行や暴言、不当な要求などの著しい迷惑行為のことです。

UAゼンセンが3万3133人に行なったインターネット調査(2024年1~3月)によると
Q.直近2年以内に迷惑行為被害にあったことがありますか?
「あった」・・・46.8%
「なかった」・・・53.2%
Q.最も印象に残っている顧客からの迷惑行為は?
「暴言」・・・39.8%
「威嚇・脅迫」・・・14.7%
「何回も同じ内容を繰り返すクレーム」・・・13.8%
「長時間拘束」・・・11.1%
「説教」・・・10.2%
その他にも「セクハラ行為」「暴力行為」「土下座の強要」「金品の要求」などもあったということです。
厚生労働省では労働施策総合推進法を改正し、「カスハラ防止策」を追加する改正を検討しています。また企業にも同様の義務を課すなどして、従業員の保護を図るということです。
日本ハラスメント協会代表理事 村嵜要氏:
企業に義務化されることにより企業内での研修の実施や相談窓口の設置が促進されて、どんどん増えていくと思います。従業員が悩んだときに相談できる助け舟があることは心理的にもすごく大きいと思いますね。
JR東日本の方針「対応しない」

JR東日本ではカスハラに対し、「対応しない」方針を発表しました。
該当する行為としては、▼身体的・精神的な攻撃▼SNS、インターネットなどへの投稿▼正当な理由のない金銭・謝罪の要求などが挙げられています。
JR東日本は『働く社員を守るため、カスタマーハラスメントが行われた場合には、お客様への対応をいたしません。悪質と判断される行為を認めた場合は、警察・弁護士などに相談の上、厳正に対処します』としています。
駅員に対する‟カスハラ”は多く、国交省がまとめた調査によると、2023年度に1124件ありました。
〈具体例〉
◆切符の変更払い戻しを希望した30代の客が、対応していた駅員が変更内容を復唱したことに対し、「対応が遅い」「子どもがぐずった」「莫大なフォロワーがいる私のSNSに載せる」などと言って怒った
◆線路側に身を乗り出し撮影をしていた高校生に対し駅員が注意すると「ふざけんじゃねえ」と逆上し、つかみかかってきて罵声を浴びせた
◆自動改札機のエラー音が鳴っていたにもかかわらず突破しようとした20代の客に対して声をかけると、「土下座しろ」などと威圧的な言動を繰り返した
◆午前1時頃、終電で乗り過ごしてしまった20代の客が「タクシー代金を調べろ」「まだか、遅い」「使えん奴やのー」などと理不尽な要求や侮辱を行った